空気は冷たいが太陽の温かさに
子ども達は気を緩め、午後の時間を
楽しむ為にゆり組が園庭へ出てきた。
ただいつもと違い同時にすみれ組と
たんぽぽ組も出てくる。
はじめに異変に気付いたのはすみれ組だった。
階段に腰を下ろしていたその背後から
そいつは現れたのだ。
鬼である。
妙に人間ぽい格好で迫ってくる鬼に
違和感を感じる間もなく子どもたちは
手に持っていた豆を力いっぱい投げた。
「鬼はー外!」「ふくはー内!」・・・
ある程度追いかけて
少しの停止を繰り返す鬼。
なぜか笑っている職員を気にも留めず
子どもたちは鬼に豆を投げ、そして拾い続けた。
無限に続く豆のシャワーを受けながら
鬼はたんぽぽ組の近くへ・・・
必死に逃げ、しがみつく姿がかわいい。
鬼もやりがいを感じてか嬉しそうだ。
最後に遠くで豆を投げていた
ちゅうりっぷ組のそばへ
寝起きに鬼は流石にこわい。
それでも豆を投げる子もおり、
鬼はとうとう降参して帰っていった・・・
皆、心の鬼を退治できたかな?