今までありがとう…
2021/09/7

園庭に大きな小屋が建っています。

以前からたくさんの動物達が園庭で遊ぶ子ども達を

見守ってくれており、以前あった小屋の移動に合わせて

保護者の皆様に新しく建てて頂いた立派な小屋です。

 

そこに約7年前、

「うさぎの赤ちゃんが生まれたんですけど

保育園で飼われませんか?」

と、元保護者の方からお電話を頂きました。

当時は烏骨鶏とハトがおりうさぎは居ませんでしたので、

赤ちゃんうさぎを引き取り飼うことになりました。

赤ちゃんの時から目に障害はありましたが、

その丸みを帯びた体でぴょこぴょこ動く様子に

子ども達はすぐ虜になっていました。

 

名前は「くんくん」

当時の年長さんがオスの君

(性別は定かではありまんでしたが)

とエサを食べる様子をみて命名してくれました。

 

今となってはぴったりの名前ですが、

名のついた当時は子どもらしい名前に笑ったものです。

 

なかなかのグルメで好き嫌いがハッキリしており、

野菜の切れ端はあまり食べず新鮮なクローバーや雑草を

よく食べていたので、子ども達が差し出してくれる雑草は

くんくんにとってごちそうだったことでしょう。

 

そのくんくんが月曜の朝、亡くなっていました。

原因は分からずきっと寿命だったのだと思いますが、

気温の変化に敏感なうさぎには厳しい環境だったのかな?

もう少しどうにかできなかったかな?

そんなことを考えながら園内にお墓を掘りました。

 

3歳以上児には亡くなったくんくんの姿を

見てもらいながらさよならをしました。

 

ゆりぐみさんからくんくんへ想いを込めた

お手紙もありました。

各家庭からお野菜を持ってきては

くんくんのごはんと言ってあげてくれたお友だち…

帰りの際にくんくんの様子を見て帰る親子の姿…

園庭遊びで葉っぱを探してはくんくんの元へ走る姿…

外へ柵を作って子ども達とくんくんを触れ合わせようと

一生懸命頑張った園長先生の手を

思いっきり引っ搔いたくんくん…

 

当たり前が失われるだけで

たくさんの素敵な時間が思い出されます。

さよならが皆で言えた。

そして命の大切さを子ども達に伝えることができた。

約7年間、その小さな命を園児・職員で育んできました。

くんくん、今までありがとう。

空っぽになった小屋に飾られたお手紙が

てんごくのくんくんへ無事届きますように…。